子育て世代の無理のない住宅ローンの組み方

FP

住宅購入は一生に一度の買い物で、失敗は避けたいものですよね。

一方で、共働きを前提とした返済額の設定や、健康寿命に合わない返済期間の設定など、無理のある住宅ローンを契約する人が増えているように感じています。

本ブログでは、住宅ローンを利用される方が後悔をしないように、無理のある住宅ローンが生まれる原因や、住宅ローンを組む際の注意点をまとめました。

執筆者について

私は約10年間、地方銀行にて住宅ローン業務、資産運用業務に従事してます。

FP1級、簿記1級などを取得しており、専門的で正確な情報を分かりやすく届けることを意識しています。

無理のある住宅ローンが生まれる原因

住宅ローンを組む際は、不動産会社や銀行の担当者に相談し、その担当者のプランを前提に話を進めるケースが多いです。

ただ、不動産会社の担当者は住宅を販売することがゴールで、銀行の担当者は住宅ローンを契約することがゴールであることから、住宅ローンを利用する人が無理なく返済していくことを軽視されるケースが多くなります。

そういった事情から、住宅ローン利用者を不安にさせるようなことは言わずに、無理のある住宅ローンが生まれてしまいます。

住宅ローンを組む際の注意点

月々の返済額

住宅ローンを組む際は、現時点の収入に対する月々の返済額の比率で判断しますが、その収入が将来も維持できるかを考えておくべきです。

これまでは一つの企業に定年まで勤めることが一般的でしたが、今後は転職も当たり前になってくると思われます。転職時は収入が減る可能性もありますので、少し収入が下がっても無理が生じないような返済額に設定する必要があります。

また、ペアローンや収入合算により、共働きによる収入を前提に月々の返済額を設定するようなケースもありますが、子育てや介護などにより一時的に共働きを続けられなくなる可能性もあるので、ライフイベントを想定した無理のない返済額に設定する必要があります。

返済期間

最近では、最長50年・完済時年齢80歳のような条件で住宅ローンを組むことができるようになっています。

返済期間を長くすると月々の返済額は下がりますが、返済期間中に大規模リフォームや建て替え等により多重債務にならないか、完済時まで働き続けられるか、ということを考えておく必要があります。

一般的な建物の利用期間は30年程度であるため、返済期間を50年に設定すると、返済期間中に大規模リフォームが必要になったり、場合によっては建て替えが必要になったりすることで、住宅ローンを返し終わる前に、新たなローンが必要になってしまう恐れがあります。

また、働ける期間は今後も長くなっていくかもしれませんが、現在の平均的な健康寿命(日常的・継続的な医療・介護に依存しないで、自分の心身で生命維持し、自立した生活ができる生存期間)は男性72.57年、⼥性75.45年(厚生労働省「健康寿命の令和4年値について」より)であることを踏まえると、あまり80歳までに設定すると老後破産のリスクが高まります。

換金性(売却価格)

住宅ローンの返済が難しくなったり、家族構成の変化により住み替えなければならなくなったり、様々な理由で住宅を手放さざるを得なくなる可能性があります。

最近では住宅価格が落ちないケースも増えていますが、これから人口減少が進む地域などでは買い手も少なくなるため、近隣の中古住宅の価格等をあらかじめチェックしておくとよいです。

どうしても家を売却しなくてはいけなくなった場合に備えて、手元資金と住宅の売却価格から住宅ローン残高を返却できる水準なのかを、ファイナンシャル・プランニングにより考えておく必要があります。

金利の上昇

これまで政策的に金利が低く抑えられていましたが、当面は金利は上昇していく見込みです。

どこまで金利が上昇するかは分かりませんが、変動金利で住宅ローンを組む人は、ある程度現時点の金利上昇を前提とした資金計画を立てておく必要があります。

住宅ローン金利引き上げについては、以下のサイトにまとめています。

住宅ローン金利引き上げの家計への影響と今後の見通し、対策

まとめ

住宅ローンを組む際の注意点についてまとめました。

不動産会社や銀行の担当者は、自分の営業目標達成のために、都合の悪いことを言わないケースも多いです。

一生に一度の買い物と言われている住宅購入を失敗しないためにも、ファイナンシャル・プランニングをしっかり行い、無理のない住宅ローンを組みましょう。

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